“なんとなく不便”は、放置すると必ず「見えるコスト」になります。
人事・総務の現場で起こる小さな手間や不安が積み重なると、月末・月初の山場で大きな負荷となって表面化します。
今回ご紹介するのは、生鮮食品販売業・200名規模の企業が、そのモヤモヤを言語化し、第一歩を踏み出した検討プロセスです。
“なんとなく不便”を言語化すると・・・
同社の課題は明快でした。
1)紙のタイムカードで勤怠を管理し、集計とエクセル転記に多大な手間がかかること
2)転記ミスが給与データの信頼性を揺るがし、有休残数の問い合わせ対応も都度Excelを開いて確認する必要があり、
現場の手間が膨らむこと
3)ITリテラシーが低く、新システム導入への心理的抵抗が障壁になっていること
iBPからのご案内内容
「何から手を付けるか」を整理するため、まず優先度を明確化。結論はシンプルです。
勤務実績の集計自動化と給与連携データ作成の効率化を“最優先”にすること。月次で必ず発生し、ミスの影響が大きい領域から着手することで、投資対効果を確実にし、現場の納得感も得やすくなります。
次に着手したのが運用整理と不安の軽減。他社事例とシステム機能を丁寧に説明し、「どこが自動化でき、どこが従来フローを活かせるか」を見える化。これにより“わからない”ことへの不安を減らし、導入後のイメージを具体化しました。
導入アプローチは柔軟に。現場の負担を下げるため、既存のExcelによるシフト作成ツールは当面維持。勤怠の記録・集計から段階的にシステム化を進める方針を採用しました。こうした段階導入は、抵抗感の強い現場でも合意形成が進みやすく、運用の失敗リスクも抑えられます。
このプロセスを通じて、「最優先で対応すべきはシステム化による自動化」という共通認識が社内に醸成され、勤怠管理システムへの第一歩を踏み出すことができました。重要なのは、全てを一度に変えるのではなく、“痛みの大きいところから確実に効く打ち手”を選ぶことです。